TOPページ  >  コラム  >  スクレイピング  >  スクレイピング導入前に確認すべき法的チェックポイント5選
  • スクレイピング導入前に確認すべき法的チェックポイント5選

    はじめに

    Web上の情報を効率的に収集できる「スクレイピング」は、営業リスト作成や価格調査、市場分析など、さまざまな業務で活用されています。
    近年はデータ活用の重要性が高まる中で、スクレイピングの導入を検討する企業も増えています。

    しかし、「公開されている情報なら自由に取得しても問題ないのか」「どこまでが許容されるのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。

    実際、スクレイピングそのものが直ちに違法となるわけではありません。
    ただし、取得対象や取得方法によっては、利用規約違反や不正アクセスと判断されるリスクがあります。

    また、法的な問題だけでなく、企業の信頼性や取引先との関係に影響を及ぼすケースもあるため、事前の確認が重要です。

    今回は、企業がスクレイピングを導入する前に確認しておきたい法的チェックポイントを5つ紹介します。

    スクレイピング導入をご検討中の方へ

    Web上の情報収集を自動化し、業務効率化を支援。要件に応じたスクレイピングサービスをご提供しています。データ収集の自動化をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

    まず確認すべきなのが、対象サイトの利用規約です。
    多くのWebサービスでは、利用規約内で以下のような行為を禁止しています。

    ・自動アクセス
    ・データの大量取得
    ・クローリング・スクレイピング
    ・商用利用目的でのデータ収集

    公開情報であることと、自由に取得できることは必ずしも同じではありません。

    サイトによっては、自動アクセスやデータ取得に関するルールが定められており、スクレイピングを制限している場合があります。利用規約に反した形でデータを取得すると、アクセス制限や警告の対象となる可能性があります。

    実際に、大量アクセスによってIP制限がかかったり、運営会社から問い合わせや警告を受けたりするケースもあります。トラブルを防ぐためにも、事前に利用規約や利用条件を確認しておくことが重要です。

    「公開されている情報だから自由に取得してよい」と判断して進めてしまうのではなく、事前に利用条件を確認することが重要です。

    ログイン認証が必要な情報を取得する場合は、特に注意が必要です。

    ID・パスワードを用いてアクセスした先の情報を自動取得したり、認証後のページを巡回したりする行為は、状況によって法的な問題につながる可能性があります。

    また、以下のようなケースも注意が必要です。

    ・他社アカウントの共有利用
    ・BOT対策の回避
    ・アクセス制限の迂回
    ・CAPTCHA突破

    技術的に実現できたとしても、許可されているとは限りません。

    実際には、法務部門や取引先から運用方法について確認を求められるケースもあります。

    スクレイピングを行う際は、取得対象が公開情報かどうかに加え、アクセス方法や利用条件に問題がないかを事前に確認することが重要です。

    取得するデータに個人情報が含まれていないかも、事前に確認しておきたいポイントです。

    例えば、氏名やメールアドレス、電話番号、SNSアカウント、顔写真などの情報は、個人情報として扱われる可能性があります。

    営業リストの作成やマーケティング活動を目的としてスクレイピングを行う場合、意図せず個人情報を取得してしまうケースも少なくありません。

    また、注意すべきなのは取得そのものだけではなく、取得後の管理体制です。保存場所やアクセス権限、利用ルールが明確でないまま運用すると、情報漏えいや不適切な利用につながるリスクがあります。

    そのため、「どのような情報を取得するのか」だけでなく、「誰が管理するのか」「どの部署で利用するのか」「どのくらいの期間保存するのか」といった運用面まで含めて整理しておくことが重要です。

    スクレイピングでは、アクセス頻度にも注意が必要です。

    短時間に大量のアクセスを行うと、対象サイトへ大きな負荷を与えてしまう可能性があります。場合によっては、サイト運営に支障をきたす行為とみなされることもあります。

    例えば、数秒おきに大量のリクエストを送ったり、24時間連続で取得処理を実行したりした場合、サイト運営側で異常アクセスとして検知されることがあります。

    特に以下のような設定には注意が必要です。

    ・秒間大量アクセス
    ・24時間連続取得
    ・同時並列アクセス
    ・不自然な巡回頻度

    実運用では、アクセス間隔を調整したり、取得件数に制限を設けたりしながら負荷を抑えるのが一般的です。 「技術的に取得できるか」だけではなく、「相手側に過度な負荷を与えていないか」という視点も重要です。

    最後に確認しておきたいのが、取得したデータの利用目的です。

    たとえ適法に取得した情報であっても、利用方法によっては問題になる場合があります。

    例えば、

    ・記事の無断転載
    ・取得データの再販売
    ・画像やレビューの転用
    ・競合サービスへの流用

    といった利用には十分な配慮が必要です。

    特に記事本文や画像には著作権が関係する場合があるため、利用範囲を事前に確認しておくことが重要です。

    また、社内分析を目的として取得したデータを後から営業活動に利用するなど、当初の想定とは異なる用途で活用したことでトラブルにつながるケースもあります。

    スクレイピングでは取得そのものに注目が集まりがちですが、実際には取得後の利用ルールまで整理しておくことが欠かせません。

    導入前の段階で、開発部門だけでなく法務部門とも認識を共有しておくことで、運用開始後のリスクを抑えやすくなります。

ページトップへ戻る